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ご挨拶

別府輝彦推進委員会委員長ライフサイエンスは、生物が営む生命現象の複雑かつ精緻なメカニズムを解明する基礎科学として重要であるとともに、医療の飛躍的な発展、食料・環境問題の解決につながるなど、生活の向上および経済の発展に大きく寄与するものとして期待されています。
その中でも、生物機能の直接の担い手であるタンパク質の立体構造と機能の相関を解明する構造生物学は、ライフサイエンス全体の基盤としての役割を果たすと同時に、その研究成果が医薬開発や産業利用につながることから、欧米をはじめ世界各国で国家的な取り組みが行われています。
 わが国においても、平成14年度より5ヶ年にわたって実施された文部科学省の「タンパク3000プロジェクト」などにおいて、大型放射光施設や大規模NMR等最新の機器・施設を整備するとともに、多数の研究者を結集して多様なタンパク質の立体構造の解析を進めることによって、わが国の構造生物学の水準を飛躍的に引き上げてまいりました。

このような背景の下で、文部科学省大規模研究開発事業「ターゲットタンパク研究プログラム」が平成19年度より5ヶ年計画で始動しました。本研究プログラムは、これまでに「タンパク3000プロジェクト」などで蓄積された構造生物学上の成果や整備された基盤を最大限に活用しつつ、現在の技術水準ではなお解析が困難ではあるが、学術研究や産業応用等に重要と考えられるタンパク質を主要ターゲットに選定し、それらの構造・機能相関の解析やそのために必要な技術開発を行うことを目的としています。

本研究プログラムは、構造生物学の進展に大きく寄与することを通じて生命科学の幅広い分野に貢献し得るのみならず、疾患関連タンパク質や食品、環境、産業利用等応用に直結する機能を有する多様なタンパク質をターゲットに取り入れて構造・機能解析を進めることによって、医療、環境、食品など社会・経済上の意義の高い研究成果を創出し得るものと期待されます。


この度、「ターゲットタンパク研究プログラム」にて現在鋭意推進中の43の研究課題について、各研究分野に分けてその取り組みを紹介し、さらに期待される本研究開発の成果等を紹介するパンフレットを作成しました。
また、「ターゲットタンパク研究プログラム」のホームページやシンポジウムの開催を通じて、研究内容やその成果を紹介していくことにしております。


日進月歩の激しい国際競争が展開されているこの分野において、本研究プログラムに参画している研究者はもとより、幅広い関連分野の研究者との交流・協力を強化しながら、わが国研究者の総力を結集して、未来を切り拓く創造的な研究成果を創出し、国民の皆様の期待に応えられるべく取り組んでまいりたいと考えております。

平成20年8月
ターゲットタンパク研究プログラム推進委員会
委員長 別府 輝彦

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